”ケンカ腰の議論”の情けない真相(ミヒロ側)

> では、次は、ミヒロさん、お願いしますね。
はーい、というわけでミヒロです。もたもたしててスミマセン。もう木曜日か……orz

今回は「往復書簡」ということで、メールの返信という形で書かせていただきます。



> ●やっぱり、〈やおい〉〈BL〉〈腐女子〉だよ
そもそもの動機というか、ミツさんと組むことになった私たちの共通点がソレだったので、作る本のテーマは最初から決まっていたようなものでした。でも、組んだ直後から「ミツ編集の表紙と、ミヒロ編集の表紙で、リバーシブルな本にしますか?」なんて案が出るくらい、最初から意見が合いませんでしたね(^_^;)。
もちろん、その案は、第四回関門の目的から外れるのではないかということで、すぐに却下になりましたが。



> 私は当初、〈やおい・BL〉を、日本の文化史の中に位置づけて再検討する、という路線を考えた
これは難航しましたね〜。そもそもは、やおい・BLや腐女子が、門外漢な人々からすれば”わけがわからない””自分たちとは関係ない”存在・嗜好であると思われていることを覆そうという発想から生まれた路線でした。それが売り上げにもつながるのではないか、という打算もありましたね。



> ●使う言葉が全然違うわ……
私がネットをよく使うというのも、言葉の違いに影響があるのではないかと感じました。(もちろん、ネットが言葉づかいに大きな影響を与えたのは腐女子に限らないでしょうし、ネット以前以後で大きな違いが生まれているのは社会全般に言えることかもしれません。)



> これまでに読んできた〈やおい・BL〉もそれほど重ならず。
私の読んできた数が少なすぎたんですよね。私は、少年マンガなどから妄想をひろげる・パロディにする(二次創作する)ことが好きなので、最初から男性同士の恋愛という前提がある物語には、あまり興味が向かなかったのです。不勉強というか、「腐女子」を名乗ってゼロアカ道場に乗り込むには、おこがましかったなと、『腐女子の履歴書』を作り終えて思いました。ま、それを言ったら、両性愛者(セクシュアルマイノリティ)を名乗るのもおこがましくなっちゃうんですが。



> ミヒロさんはゼロアカに参加するに際してはじめて〈やおい・BL〉を批評対象と捉えるようになった
そもそも私は、ゼロアカ道場に入門して、はじめて批評ということを考えるようになったので、やおい・BL以前の問題でしたね。今でもそうですが、欲望に忠実に、突き進みながら考えるタイプなので、思考が追い付いてないんです。友人たちから「何も考えてないよね」って言われるような人間が、ゼロアカ道場に入門したこと自体、それこそ「おこがましい」ことだったのかもしれません。
なので、そういう意味でも、使う言葉がミツさんとかみ合わず、特に私は「言われていることは理解できるが、どう返答したらいいのか、さっぱりわからない。切り返していいのかもわからないし、こたえるべき適当な言葉が自分の中に見当たらない。」という状況に、しばしば陥りました。



> 私が、「論証のできていない一部の主観的見解では、批評としては使えんわ!!」と
これまで私が”批評”や”評論”に対して抱いていたイメージが「(一個人・一部の)主観的見解を一般論として展開しているに過ぎないのではないか」というもので、そのせいでゼロアカ道場に入門するまで興味が持てなかったので、そういうミツさんの姿勢は、すごく尊敬してます。ちゃぶ台は返されましたが(笑)。
しかし、あいかわらず私は知識がないので、体験と主観でしか語れないですね。



そんなわけで、同人誌を制作している時も、ものすごく言葉づかい(言葉の選び方)に苦労したのですが、今回の文章も、かなり悩みながら書きました。まともな文章で自分の意見を述べるなんて、大学を卒業した後は、ほとんどやらなかったので、頭の回路が錆びついてしまっているようです。同人誌を作り終えても、未だに改善されてないのが、なんともいたたまれません。
ですが、『腐女子の履歴書』は、そんな私ではなく、ミツさんが立案・企画された本ですので、みなさま、安心してお買い求めください。11月9日「第七回文学フリマ」中小企業振興公社 秋葉原庁舎 スペースNo.B-64にて、お待ちしております。