[「腐女子の履歴書」への道]

斎藤です。
腐女子の履歴書」についてコメントをお寄せ下さいましたみな様、励ましのお言葉など、ありがとうございました。
さて、我がチームは、あまりにも「はてなダイアリー」の更新が少なくて……。何せ、「打ち合わせしてます」の次が、いきなり「入稿しました!」ですから。斎藤の初登場さえ、入稿後……。というわけで、これからは、あまりにもお見せしていなかった、「腐女子の履歴書」完成への道のりを、ミヒロ さんと語っていこうと思います。あのとき、私は、内心こんなことを考えていました、というところを、二人の往復書簡のように。ちなみに、内容に関しては、事前打ち合わせはしていませんので、斎藤も、ミヒロさんが、これについて、どういう球を投げてくるのか、まったく分かりません。

●やっぱり、〈やおい〉〈BL〉〈腐女子〉だよ
私、斎藤は、そろそろ他の引き出しを開けてみせるべきか……という思いがちらっとよぎったものの……。やっぱり、〈やおい〉〈BL〉〈腐女子〉でぶっちぎる、という意志は変わらず。ミヒロさんとも、お互いに、それ系の本にすることは、ほぼ了解済みみたいなものでした。ただ、問題は、そのネタを、どのような視点で切るか、ということ。私は当初、〈やおい・BL〉を、日本の文化史の中に位置づけて再検討する、という路線を考えたわけです。実は、我がチームは、当初、この企画で進行していたのでした。

●使う言葉が全然違うわ……
初めての打ち合わせ。お互いに、ゼロアカで会うまで、まったく面識の無かった二人。相互理解をはかるべく、企画について話し合いをはじめたところ……。あまりにも、何もかもが違うので、しばし呆然。そりゃあ、差異はあるに決まっているのですが、同じ〈腐女子〉でも、こうまで違うものか、さらに違い方もいろいろありますが、まさに正反対なのですよ、我々。
やおい・BL〉の嗜好傾向についていうと、私はオリジナル、小説、商業マーケット作品中心(研究対象がそれなので必然的に)、ミヒロさんは、パロディ、マンガ、同人誌系。さらに年齢差もあって、これまでに読んできた〈やおい・BL〉もそれほど重ならず。
さらに私は、ずっと大学院で〈やおい・BL〉を研究してきた、ミヒロさんはゼロアカに参加するに際してはじめて〈やおい・BL〉を批評対象と捉えるようになった、というように。なので、使う言葉が、全然違ってくるのです。私は、学術的、研究業界的、反面四角四面で専門的でお堅い言葉で語りがちで、ミヒロさんは、パロディ同人女子的で、普通感覚、とてもユニークだけど主観的。お互い、言うことを説明したり補足したりしないと、通じなかったりすることもしばしば。
例えば、ミヒロさんが「〜〜は〜〜ですよ」と言うと、私が「その見解の主語は、だれっ! ミヒロさん個人? 腐女子一般? 同人系女子一般? ミヒロさんの周囲だけ?」、ミヒロさん「……」。で、私が、「論証のできていない一部の主観的見解では、批評としては使えんわ!!」と、ちゃぶ台をひっくりがえしていた(比喩ですよあくまで)わけです。

では、次は、ミヒロさん、お願いしますね。